2012年11月25日日曜日

ロケットストーブ付石窯作り30 / 断熱

作業開始前の状態です。今日はここからスタート!
散らかってますね、、掃除もしなきゃ。

これは西浦商事さんから購入した軽量キャスタブルです。
以前も書きましたが、長期在庫品ということで
格安で購入しました。
ただし保管中に一部空気中の水分を吸って固まって
しまっていることがあると事前に聞いていました。

それを承知の上で購入したので全然問題無いのですが
実際にこんな塊が入ってました。
大きな塊は2〜3kgぐらいでしょうか。
2袋分でこの量なので全体の1割くらいな感じ。

塊は手で割れるほど柔らかくも無いですが、ガチガチに
固まってるというほどでもありません。
根気よくハンマーで砕けば使えそうな気もしますが
作業を急ぎたいので、これは破棄することにしました。

さてこの軽量キャスタブル、キャスタブルタイプの断熱材です。
三石耐火レンガさんのブログではメーカーが違いますが
石窯の外側を覆うのに使われてました。

そして石窯の周りをこのキャスタブルで固めれば、本体の目地に
使った耐火モルタルが固まらなくても、雨などで流れてしまうことが
ありませんので一石二鳥かもしれません。

ということで私も同じように施工してみました。
レンガに直接コテ塗りしてみると、骨材が細かいので
作業性はいいのですが、アサヒキャスターと
同じく接着力はほとんど無さそうです。

レンガに直接コテ塗りするよりもメタルラスや金網で石窯を
覆ってから施工した方が良かったように思いました。

若干迷いましたが今日は午後から作業を始めたので
中断してメタルラスを買いに行ったりしてると
日が暮れるまでに作業が終わらなさそうということで
このまま続けることにしました。

自宅の漆喰壁をセルフビルドした経験もありますので、
コテ塗り自体は慣れた作業です。2時間程度で完了しました。
コテ塗りよりキャスタブルおよそ2袋を練る作業の方が
余程しんどいです・・・特に腰が。
これもまた最終的には隠れてしまう所なので丁寧さより
スピード重視で仕上げました。
キャスタブルの厚さは2〜3cm程度かと思います。
2袋で少し余りました。

写真に写っている線は熱電対のコードです。
デジタル温度計と接続して石窯内部の温度を測るため
3箇所に仕込みました。

非接触式の温度計も持ってますが、それだと温度を
計るために蓋を開けなければなりませんし、計測の
上限温度が280℃なのでやや役不足なんです。

スローライフの象徴のような石窯にこのような電子機器を
持ち込むのはどうかと思わなくもないですが、
まぁ使いこなしてナンボということでよしと
しましょう。
それに計測結果はブログネタにもなりますし。

これで1週間ほど養生させます。

2012年11月24日土曜日

ロケットストーブ付石窯作り29 / 乾燥

ドームの型枠も無事外せたので、開口部にもう一つアーチを積みました。
開口部のアーチは手前、真ん中、奥と3列になっています。
そしてそれぞれの幅と高さを少しずつ変えてあります。
このような構造にしているのは後日製作予定の蓋の使い方を
考慮してのことなのですが、詳しくは蓋を作る際に書こうと思います。

ともかくこれでロケットストーブと石窯本体の骨格的な部分は
完成しました。
ちなみに写真右下の四角い開口部がロケットストーブの
焚口になります。

一息つきたいところですが、
実はまだ多くの作業工程が残っています。
残る主な作業は以下の通り。

  1. ドームの蓄熱、保温性を高めるため軽量キャスタブル(ライトキャスター)やファイヤーブランケットでドームを覆う。
  2. ドームやアーチを土台にしっかり固定する。
  3. ドームの周囲をブロックで覆い、断熱材を充填する。
  4. 3.のブロック壁を漆喰で塗装
  5. ドーム開口部用の蓋を作る
  6. 屋根を作る
それ以外にも薪棚も作らなきゃいけませんし、石窯作りの
ため、中断してる庭のアプローチに乱形石を敷く作業も
あります。
外構工事の完成まで、まだまだ先は長そうです。

今日は上の1.の工程に取り掛かる前に少しでもレンガや目地を
乾燥させようと思い、軽くロケットストーブに火を入れてみました。
最近の雨で薪もレンガもやや湿ってるようですが、さすがは
ロケットストーブ、焚き付けに新聞紙1/2枚だけであっという間に
火が熾きます。
ロケットストーブが温まっていない間は煙も出ます。

煙ってるのが分かるでしょうか。

煙の半分くらいは煙突から出ていくようなので
キャスタブルの流し込みで作った煙突との接合部も
まずまず機能しているようです。

残りは開口部から出てきますが、いずれ蓋を作りますし
煙突も予定ではこの倍の高さにするつもりなので、
更に改善できるだろうと思っています。

これくらいの燃焼になると排気もほぼ透明になってきます。

石窯の天井がロケットストーブの火で赤く照らされてます。

30分ほどかかって天井部分が200℃以上になりました。
200℃を超えたあたりから薪の燃える音やロケットストーブ特有の
ゴーッという音とは別に陶器の割れる「パリン」というような音が
何回か聞こえました。

レンガが割れている音かもしれません・・・

あまり急激に温度を上げると良くないので、今日は
これくらいで止めることにしました。

TOOLS 8 / ディスクグラインダー&集じん機

前にレンガをカットする際の粉塵対策として購入した
集じん機ですが、以前のレビューで集塵率が低くて
効果が思ったほどでないと書きました。
それも致し方ないのかもなと思いました。
と言うのも本来この集じんカバーって、材料にベタッと密着させて
カットすることを想定した形状になっています。

これに対して私の場合はレンガを台形にカットしたいので、
グラインダーを傾けざるを得ません。
そうするとこの集じんカバーとレンガの間に大きく
隙間が空いてしまうので、そこから多くの粉塵が漏れる
ようなのです。

ただそれでも前回の記事を書いた後で集じん機とホースの接続部分に
隙間があるのを見つけ、これを調整した所かなり吸い込む力も
上がったような気がします。

そこで改めてレンガをカットしてみました。
ちょっと分かりづらいかもしれませんがカット前の作業台です。
ブラシで表面を掃いたのですが雨で湿っているためレンガの粉が
少し残っています。
集じん機を繋いだ状態で、レンガ1個の周囲4辺(約30cmほど)を
カットした後の写真です。
前よりはかなり粉は減ったように思います。
屋外で作業しているのでこれくらいの量であれば
許容範囲と思います。
ま、無駄な買い物にならずホッとしました。


あと追加でダイヤモンドカッターを購入しました。
三京ダイヤモンド工業のS1カッターという製品です。
安い所を探しましたがそれでも6千円ほどはしました。

さすがにサクサク切れますので気持ちいいです。
先日買った安物カッターとはカットスピードがまったく違います。
もちろんセグメントタイプとウェーブタイプの違いも大きいのですが。

カットしてて気付いたのですが、耐火レンガって耐火度によって
硬さも違うんですね。SK32はサクサク切れるのに対して
SK34の耐火レンガは感覚的には半分くらいのスピードでしか
切れない感じです。

先日の安物カッターで「切れなくなってきたな」と思ったのは
摩耗のせいじゃなくて、SK32のレンガをカットした後で
SK34のレンガをカットしたせいだと分かりました。

まそれはさておき、S1カッターオススメです。

2012年11月23日金曜日

ロケットストーブ付石窯作り28 / Key stone

ドーム完成の巻
今日はここからスタート

11段目です。
ちょっとカットが雑ですが雨がパラつき始めたので
細かい調整は止めて先を急ぐことにしました。

11段目完了です。
いよいよ天頂部が閉じるまであと僅か。

もう丸い形ではなくなってます。
台形というより欠片に近いレンガで隙間を埋めます。

いよいよ最後の工程です。

空いている隙間の形に合わせて最後のピース(7角錐?)を作りました。
英語ではこれKey stoneて言うんですよね。日本語では要石。
これが抜けなければドーム(アーチ)は崩れないという大事なパーツです。

Key stoneをしっかり嵌めて遂にドーム完成!
はぁ〜〜〜ここまでの道のり長かった・・・

少し眺めていたかったのですが、完成した途端、
本格的に雨が降り始めました。

ドームの表面や目地を整えたりと続けてやりたいことが
あったのですが仕方なく外側にはブルーシートをかけました。

ドーム外側の作業は中断しましたが、ドームが完成したことで
遂に内側の型枠は外せる状態になりました。

型枠は下の写真のようになっています。
10本の足(骨組み)の合板はプラ束にただ乗せているだけで
接着、固定していません。
なのでプラ束を縮めて外すと支えが無くなり簡単に
外れるようになっています。

但しこの骨組みにはベニア板を下の写真のようにタッカーで
留めてあります。

これが邪魔して骨組みが崩れないようだと少し手強いかもと
思ってました。

ともかく試してみるしかありません。

まずはプラ束を縮めて外し取り出しました。が、それだけでは
骨組みは崩れてくれません。

そこで開口部に近い方の骨組みの合板を引っ張りました。
(強引に引っ張ってドームのレンガが崩れたりしたら
目も当てられませんから慎重に。)

すると引っ張った合板だけでなく骨組み全体が崩れながら
タッカーで固定してたベニア板ごとズルズルと全て一緒に
出てきました。これぞまさしく芋づる式!
超気持ちE!いや〜思った以上に上手くいきました!

予め骨組みの合板にはそれぞれ3箇所に穴が開けてありました。
もしも手で引っ張っても取れない場合はこの穴に
鉄筋を引っ掛けて引っ張るつもりでした。

更にそれでもダメな場合は燃やしてしまうつもりでしたが
その必要もありませんでした。

砂やスタイロフォームを型にする方法や木材で型枠を
作って後で燃やしてしまう方法もありますが
プラ束使う方法、結構オススメですよ!

ということでドーム内側があっという間に空洞になりました。
ドームを作る際に溜まったホコリや落ちたモルタルを
掻き出して床面を綺麗にしました。

ともかく「ドームが崩れなくてホッとした」というのが
正直な感想です。

石窯完成までまだまだ先は長いですが、工程の中でも
ドーム完成は石窯製作の中の大きなマイルストーンなので
感慨もひとしおです!

今日のお酒は間違いなく美味しいだろうと思います(^O^)

2012年11月20日火曜日

Building a wood fired brick oven (with a rocket stove) 27 / Dome

日曜の作業の続きをば
今日のドームのレンガ積みはここからスタート。

先週6段まで積んだので今週は7段目から。
先週のうちにカットしてあったレンガを仮置きして隙間の空き方など
具合を確認します。
ところどころに入っているちょっと汚いレンガは
アンティークレンガの半端物です。
レンガの角度は少し鋭角目にカットしてあり、適当な間隔で
真っ直ぐカットされているアンティークレンガを挟むことで
隙間が最小限になるよう調整してます。
はみ出したモルタルが汚いですが上から色々被せて最終的には
見えなくなってしまう所なので、確実にシールすることと
作業スピード優先ということで見た目は気にしないっと、、
7段目完了。スタイロフォームで作ったドーム開口部や煙突接合部の
型も外しました。キャスタブルも綺麗に流し込めてたようです。

続いて8段目。
8段目はちょっと細工したいことがあり、あえてこんな感じで
隙間を空けてます。
何を仕込むかはまた後日のお楽しみ・・・
レンガの加工に慣れたことと、上の段ほど使用するレンガが
少なくなるのでスピードも上がってきたかも。
だいたいこういう作業って慣れた頃に終わっちゃうんだよな〜

さぁ〜どんどん行きまっせ〜
9段目も完了!

9段目からレンガのカットも方法を少し変えました。
これまでは、並型レンガ1個から2個の台形のパーツを切り出してました。
こんな感じ。
ただこうカットすると当然ですが両端が余ります。
今までで、このバケツ2杯くらいの端材が出ました。
これはこれでレンガを積む際のクサビに使えるのですが
そんなに沢山あっても使いきれません。
新品の耐火レンガは結構高価なので、少量とは言え無駄が出るのは
辛いところです。

ということで編み出した新たなカットがコチラ。
雨で作業中断している時にふと思いついたのです。
ドームの上の方のパーツなので角度は鋭角になってますが
それ以外は今までのと同じじゃねって?
イヤイヤ、これをカットして並び替えると↓こうなります。
そう、1個の並型レンガから台形のパーツが3個作れる(゚д゚)!

これだとグラインダーのディスクの厚み分のロス以外の
無駄が無くなります。
カットの難易度も今までと変わりませんし。

惜しむらくは、もっと早く発見したかった・・・

横からだと丸くなってきたなぁと実感できます。

更に10段目にも突入。
10段目も完了しました。残りもあと少し。
残る部分(穴の空いてる所)の直径は30cmほどになりました。


しかしここで無念の日没ゲームセット、、

急げばあと1時間ほどで埋められそうな気もしますが
暗くなるとぐっと冷え込むようになりました。
作業時の危険も増えますので無理せず来週に
持ち越すことにしました。

次の3連休の天気が良ければ(乾燥のための軽い)火入れまで
行けるかな。

2012年11月18日日曜日

Building a wood fired brick oven (with a rocket stove) 26 / Dome

昨年の秋も週末(土日)のどちらかは必ず雨が降ってたような
記憶がありますが、今年も同じペースなのでしょうか。
今週も昨日は1日雨で作業ができませんでした。

石窯作りに取り掛かろうとした頃、先に屋根を作ろうかと
考えはしたのですが、結局後回しにしました。

その時点で天候が悪い時は作業を中断せざるを得ないと
納得していたつもりだったのですが、製作期間の見積が
甘かったです。こんなに時間がかかるとは・・・

ということで今週も今日しか作業できませんでしたが、
1日フル稼働したお陰でかなり進みました。

今日はここまでの作業で気になっていた箇所の修正から
始めました。
石窯の開口部です。
手前のアーチの奥にもう一つアーチがあるのですが
石窯の構造的に奥のアーチは線で囲んだ部分のように
手前のアーチより少し狭く(アーチの直径を小さく)したかったのです。

ところがスタイロフォームで作った型枠のサイズに少し
問題があり、右側の矢印の部分が予定の形状になっていませんでした。

このデザインというか形状にしている理由があるのですが
それはまた後日書くとしてともかく左側と同じ形状にする必要があり
修正することにしました。

修正方法ですが耐火レンガを小さくカットして、この形状に
整えたとしてもこんな垂直面(と言うより逆バンク)に
接着する方法がありません。
(普通のモルタルやボンド類でくっつけられたとしても
高熱で剥がれてしまいます。耐火モルタルには接着力が
ほとんどありませんし。)

こういう場所の施工に備えてプラスチック耐火物も
購入してあるのですが、今回はあえて耐火キャスター
(耐火キャスタブル)を使って修正してみることにしました。

とは言え、今までの経験上こんな垂直面に耐火キャスターをいきなり
コテ塗りしても剥がれ落ちてしまうことは間違いありません。

このためそうならない方法を考えました。
まず修正しようと思っている垂直面の耐火レンガに
数カ所ドリルで穴を開け、コンクリートなどにネジ止め
できるようにするコンクリートプラグというパーツ
(ホームセンターで普通に売ってます)で適当なサイズの
ネジを挿します。

ネジは最後まで捩じ込まず、途中で止めておきます。
そこに針金を絡めます。針金はレンガに密着させず
少し宙に浮かせるようにします。
こうすることで、耐火レンガとは接着せず垂直面への
コテ塗りが難しい耐火キャスターも、このネジや針金に
絡まることで固定できるはずと考えた訳です。

これに近い方法が工業炉への耐火キャスターの施工マニュアルに
記載されていたので、参考にしました。

それから、前回の記事に記載したようにレンガとキャスターが
馴染みやすいように耐火モルタルも予めレンガに塗っておきました。

結果はコチラ。
写真だと表面が少し荒いように見えますが私の考えている用途には
必要十分です。
火を入れてみないと耐久性は分かりませんが現時点では問題なく
固定できているようです。
これで奥のアーチの形状もほぼ左右対象になりました。
続いて、煙突接続部分です。
耐火キャスターを型枠に流し込み成型しましたが、回転砥石(ビット)を
装着したドリルでバリ取りして更に形状を整えました。
石窯から滑らかに煙突に繋ぐよう形状を考えましたが、期待通りの
性能が発揮できるか楽しみです。

今日の作業はまだ続きがありますが、長くなるので続きは
また後日改めて。

2012年11月12日月曜日

Building a wood fired brick oven (with a rocket stove)25 / dome

結局昨日は1日雨でした。
他に用事も無かったので天気さえ良ければ
丸一日作業できてたはずなのに・・・

雨での作業中断は恨めしいですが、ようやくドームも
ゴールが見えてきました。
思えば石窯の形状をどうするか考え始めてから
何回案を変更したか分かりません。

最初はアーチ(カマボコ)型、そして燃焼室と調理室が
分かれた2段式にするつもりでした。

その後、燃焼室の代わりに焼床用と天井用の2つの
ロケットストーブを組み込む案にしようかとか、
同じカマボコ型でも横向きにしたらどうだろうとか、
やっぱりシンプルなドーム型がいいか、煙突の有無など
色々な案が浮かんでは消えました。

そして最終的にたどり着いたのが現在の形状です。
ロケットストーブは単なる思いつきですが、ドーム型を
選ぶ決め手になったのは海外(アメリカ)のあるサイトに
掲載されていた下記の石窯です。
レンガの加工は美しいと思うほど。
ただそれよりも構造や施工のすべてが本当によく考えられていて
大変感銘を受けると同時にそれまでの迷いが消えました。

ということでドーム部分の構造の多くはこの石窯を参考にさせて
もらっています。美しさや加工の精度は足元にも及びませんが、、。