ここらでチョット私が石窯の仕様を決めるに至った経緯を
書いておこうと思います。
自宅の建築工事の際、業者さんに石窯を作る予定が
あることを伝えた所、最終的に重量がどれくらいになるか
聞かれました。
重さなんて聞いてどうするのかなと思いつつも
ざっくり計算してみると2tくらい。
すると、「そりゃ地盤改良が必要ですね」とのこと(@_@;)
趣味の石窯作るのに地盤改良ってあまりに大げさな
気もしたのですが、元々自宅の建築にあたって地盤改良を
することになっていて、一緒に施工すればコストは
僅かな差額で済むため、お願いすることにしました。
これで石窯作りは完全に後に引けなくなったのでした。
こうして「もし一戸建てに住めたら石窯を作ろう!」と
思ってから3年、石窯用の地盤改良をしてから1年
私の最初の作業は石窯土台のブロック積みから始まりました。
石窯は庭のスペースに余裕が無いため擁壁ギリギリに
設置することにしました。
擁壁と言っても、石窯設置場所からは数cm高くなっているだけです。前面道路からは1mほどの高さがあります。
ところがこの作業の途中で石窯の仕様を変更したくなりました。
このため土台もサイズアップが必要となりました。
そこでかなり大変な作業になるとは思いつつ、ブロックの外側を
アンティークレンガで覆うことにしたのです。
レンガは10段〜11段を積むことになりました。
使用量は並換算で200個ほど。
擁壁にはロートアイアン製のフェンスがあるため、予想通り
フェンス際にレンガを積む作業はかなり難航しました。
アンティークレンガには目地材の耐火モルタルや長期間野ざらしで
保管されていたことによる汚れがこびり付いていたため、
これをスクレーパーで剥がしたり、ブラシで洗い落としたりにも
時間がかかり、このレンガ積みには土日をフルに使って丸1ヶ月
かかりました。
ロケットストーブの燃焼路(バーントンネル)と
燃焼塔(ヒートライザー)を耐火レンガとアサヒキャスターで
作りました。(現在この状態です)
さてロケットストーブって何?って方には、参考までに
下記のサイトが詳しいです。
https://docs.google.com/file/d/0Bzor2dyzWCn-ZjI1NmYxNWQtYmE5ZS00OTQzLTk5MTAtNGQ5MmZjNWQwYTAy/edit?hl
http://www.richsoil.com/rocket-stove-mass-heater.jsp
上記はRocket mass heaterと言われるタイプで
料理や暖房など広い用途に使われます。
私のは外側の熱交換バレルと呼ばれるドラム缶を被せていない
簡易的なロケットストーブで、ロケット・キッチンストーブなどと
呼ばれたりもします。主に煮炊き用に使われるようです。
石窯には薪を燃やす場所と調理する場所が分かれている2層式と
2つを兼ねる単層式がありますが、以前石窯のこととは関係無く
暖房器具として、このロケットストーブのことを調べるうち
石窯とロケットストーブを組み合わたら
単層式、2層式の石窯の弱点を補って、いいとこ取りのような
石窯になるのでは?と考えたのでした。
ちなみに私が考える単層式、2層式石窯の弱点とは以下です。
単層式の弱点と思う所
・火入れから煤切れまでの間の2時間近く相当な煙が発生する。
→住宅地では近所迷惑の恐れあり
・パンはタイミングを逸すると確実に失敗作になるので
相当高い技術が必要になる。
→火を落としてから適温になるタイミングと生地の発酵の
タイミングを完璧に合わすなんて素人には無理じゃね?
・適温の時間帯がどれくらいあるか分からないが
パンは1回の火入れに対してその時間帯しか焼成できない。
・調理する場所で薪を燃やすので、熾や灰の処理が大変そう。
2層式の弱点と思う所
・調理とは関係の無い燃焼室の床や壁の方が
むしろ高温になる。
→熱が逃げる場所が一杯あるってことで燃費悪そう
・本格的なPizzaを焼くには天井と焼床両方を相当な
高温(上600℃、下300℃とか)にしなければならないが
果たしてそこまで温度が上げられるか?
そしてそれぞれを適温になるよう調整できるか?
→上火が強いと生地が綺麗に膨らまない。下火が強いと生地が焦げる
つまり、単層式は使い方が難しそう、
2層式は燃費が悪い上、最悪の場合、本格Pizzaには役不足の
可能性があるってこと。
そこで考えたのが、基本は単層式の石窯として使える設計に
しておいて、そこにロケットストーブを組み込むことで
上手くいったら単層式の弱点もカバーできるかもというものでした。
私が考えるロケットストーブを組み込むメリットとは
・火入れから短時間で煙がほぼなくなる。
・投入する薪の量の調整で細かく温度調整が可能。
・燃焼効率が相当高い上、回りも十分に断熱するため
燃費が良いはず。
みたいなことです。
ただ心配な点はピッツァを焼くのに十分な温度に
上げられるのかということでした。
ということで、うまくいけば燃費や使い勝手の良い石窯に
なるだろうし、もしロケットストーブ部分が使い物に
ならなかったとしても、燃焼塔の最上部に蓋をしてしまえば
少なくとも普通の単層式の石窯として使えるようにと
このような仕様を考えたのでした。
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