2012年9月13日木曜日

ロケットストーブ付石窯作り9/設計

ここらでチョット私が石窯の仕様を決めるに至った経緯を
書いておこうと思います。

自宅の建築工事の際、業者さんに石窯を作る予定が
あることを伝えた所、最終的に重量がどれくらいになるか
聞かれました。
重さなんて聞いてどうするのかなと思いつつも
ざっくり計算してみると2tくらい。

すると、「そりゃ地盤改良が必要ですね」とのこと(@_@;)

趣味の石窯作るのに地盤改良ってあまりに大げさな
気もしたのですが、元々自宅の建築にあたって地盤改良を
することになっていて、一緒に施工すればコストは
僅かな差額で済むため、お願いすることにしました。

これで石窯作りは完全に後に引けなくなったのでした。

こうして「もし一戸建てに住めたら石窯を作ろう!」と
思ってから3年、石窯用の地盤改良をしてから1年
私の最初の作業は石窯土台のブロック積みから始まりました。

石窯は庭のスペースに余裕が無いため擁壁ギリギリに
設置することにしました。
擁壁と言っても、石窯設置場所からは数cm高くなっているだけです。
前面道路からは1mほどの高さがあります。
ところがこの作業の途中で石窯の仕様を変更したくなりました。
このため土台もサイズアップが必要となりました。
そこでかなり大変な作業になるとは思いつつ、ブロックの外側を
アンティークレンガで覆うことにしたのです。

レンガは10段〜11段を積むことになりました。
使用量は並換算で200個ほど。

擁壁にはロートアイアン製のフェンスがあるため、予想通り
フェンス際にレンガを積む作業はかなり難航しました。

アンティークレンガには目地材の耐火モルタルや長期間野ざらしで
保管されていたことによる汚れがこびり付いていたため、
これをスクレーパーで剥がしたり、ブラシで洗い落としたりにも
時間がかかり、このレンガ積みには土日をフルに使って丸1ヶ月
かかりました。
ブロックと外周のレンガ積みが完了し、土台の底部分に
ロケットストーブの燃焼路(バーントンネル)と
燃焼塔(ヒートライザー)を耐火レンガとアサヒキャスターで
作りました。(現在この状態です)

さてロケットストーブって何?って方には、参考までに
下記のサイトが詳しいです。
https://docs.google.com/file/d/0Bzor2dyzWCn-ZjI1NmYxNWQtYmE5ZS00OTQzLTk5MTAtNGQ5MmZjNWQwYTAy/edit?hl

http://www.richsoil.com/rocket-stove-mass-heater.jsp
上記はRocket mass heaterと言われるタイプで
料理や暖房など広い用途に使われます。

私のは外側の熱交換バレルと呼ばれるドラム缶を被せていない
簡易的なロケットストーブで、ロケット・キッチンストーブなどと
呼ばれたりもします。主に煮炊き用に使われるようです。

石窯には薪を燃やす場所と調理する場所が分かれている2層式と
2つを兼ねる単層式がありますが、以前石窯のこととは関係無く
暖房器具として、このロケットストーブのことを調べるうち
石窯とロケットストーブを組み合わたら
単層式、2層式の石窯の弱点を補って、いいとこ取りのような
石窯になるのでは?と考えたのでした。

ちなみに私が考える単層式、2層式石窯の弱点とは以下です。

単層式の弱点と思う所

・火入れから煤切れまでの間の2時間近く相当な煙が発生する。
→住宅地では近所迷惑の恐れあり

・パンはタイミングを逸すると確実に失敗作になるので
相当高い技術が必要になる。
→火を落としてから適温になるタイミングと生地の発酵の
タイミングを完璧に合わすなんて素人には無理じゃね?

・適温の時間帯がどれくらいあるか分からないが
パンは1回の火入れに対してその時間帯しか焼成できない。

・調理する場所で薪を燃やすので、熾や灰の処理が大変そう。

2層式の弱点と思う所

・調理とは関係の無い燃焼室の床や壁の方が
むしろ高温になる。
→熱が逃げる場所が一杯あるってことで燃費悪そう

・本格的なPizzaを焼くには天井と焼床両方を相当な
高温(上600℃、下300℃とか)にしなければならないが
果たしてそこまで温度が上げられるか?
そしてそれぞれを適温になるよう調整できるか?
→上火が強いと生地が綺麗に膨らまない。下火が強いと生地が焦げる

つまり、単層式は使い方が難しそう、
2層式は燃費が悪い上、最悪の場合、本格Pizzaには役不足の
可能性があるってこと。

そこで考えたのが、基本は単層式の石窯として使える設計に
しておいて、そこにロケットストーブを組み込むことで
上手くいったら単層式の弱点もカバーできるかもというものでした。

私が考えるロケットストーブを組み込むメリットとは
・火入れから短時間で煙がほぼなくなる。
・投入する薪の量の調整で細かく温度調整が可能。
・燃焼効率が相当高い上、回りも十分に断熱するため
燃費が良いはず。
みたいなことです。
ただ心配な点はピッツァを焼くのに十分な温度に
上げられるのかということでした。

ということで、うまくいけば燃費や使い勝手の良い石窯に
なるだろうし、もしロケットストーブ部分が使い物に
ならなかったとしても、燃焼塔の最上部に蓋をしてしまえば
少なくとも普通の単層式の石窯として使えるようにと
このような仕様を考えたのでした。

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