2010年9月27日月曜日

擁壁工事で問題発覚

先日型枠を外した後の確認で気になる点があり、施工監理をお願いしている設計事務所に問い合わせました。
幾つかは重大な問題であることが分かりました。

比較的軽微な点から
擁壁を幾つかに区切っている目地の桟木が奥に埋め込み過ぎです。修正指示してあるとのこと。
詳しく知りませんでしたがジャンカというらしい。酷いレベルでは無いようで見た目が気にならないなら下手に修正するよりこのままの方が強度面も良いようなので修正無しとします。

ところで今日は市の建設局による完了検査を受けることになっていて、検査員が来られていました。しかし結果的には検査は合格しませんでした。
その理由は上記の問題以外に工事が未完成と判断される箇所が残っていたためです。
まず、これは型枠を外す前の写真ですが、画面右の型枠から鉄筋が出ています。

擁壁はここで終わりですが、この右側に外構工事の一部として壁を作る予定でした。
その壁と擁壁をつなぐため鉄筋を残したとのことなのですが、擁壁はあくまで擁壁として工事を完了する必要があり、その観点で検査すると鉄筋がコンクリートから出ている、すなわち、かぶり厚が不足しているとのことで合格しません。

次です。
擁壁は幾つかの区画に分かれているのですが、区画の境目の目地が飛び出したままです。
完了検査時点で、これら余分な所は切り取って形を整えなくてはならないそうです。

他にも写真はありませんが、擁壁内側のPコン跡の中のボルトがむき出しになっています。
これも検査時点で詰め物を入れていないと合格しません。
それに型枠を外したら早々にモルタル等で穴を埋めないとそこからサビが発生し、コンクリート内部まで侵食するような問題が発生するとのことです。

次からはやや重大な問題です。
 擁壁の内側底部の水抜き穴の直下には、市の指導により、それより下に水が染み込まないよう止水コンクリートを打設する必要があるのですが、打設しないまま埋め戻ししてしまったとのことです。前に撮っていた埋め戻し途中の写真を見ても水抜き穴付近に止水コンクリートと言われる物が見当たりません(当時は止水コンクリートが何かも知りませんでしたから分かりませんでしたが)
大変ですが、埋め戻した土を取り除いてやり直していただく他ありません。

加えて、擁壁内側の間際には底部40cm、上部30cm程度の厚みで透水層を設けなければいけませんが、透水層の役割を果たす砕石が市の指定通りに入れていなかったそうです。
これも含めてやり直しが必要です。

また宅造法の規定外ですが埋め戻しの際、殆ど転圧をしていなかったようです。
不同沈下の原因にもなりますので、上記のやり直しの際には、土を30cm程戻す毎にローラー等でしっかり転圧いただくようお願いしました。
次の問題です。
擁壁の見え高は一番高い箇所で2150mmほどあります。
擁壁の型枠の跡が見えますが、この間隔は900mmです。写真の通り、この箇所の水抜き穴は型枠2枚おきに入っているので、計算上3.87㎡に1箇所しか水抜き穴がありません。
宅造法では3㎡に最低1個の50~100mm口径の水抜き穴の設置が義務付けられているため、これを満たしません。

ここに関しては、規定を満たしていない区画丸ごと取り壊して配筋からやり直しという大規模な作業が必要になるかと思いました。

工事業者、施工監理の担当者どちらも責任を感じられているようですが、あまり大掛かりな是正作業になることは、私も含めて誰にもメリットがありません。
何とか、お互いのためにも負担の少ない是正で済めばと思います。

検査日に未完成箇所が多数あったことや、規定を満たさない工事が行われた原因については、ほぼ把握していますが、機会があれば書いてみたいと思います。

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