2013年1月23日水曜日

ロケットストーブ付石窯作り37 / ドーム断熱

日曜の作業はここからスタート!
先日セラミックファイバーで石窯を覆い、さらにメタルラスや
金網を被せました。

この上に更に断熱性を高めるため軽量キャスタブルを
コテ塗りしていきます。

やはりメタルラスがあることでコテ塗りはかなり簡単に
できるようになりました。

ライトキャスター20kg×2袋を全て使いきりました。
厚みは場所によって違いますが3〜5cmくらいでしょうか。

以前使った品川フラクトリースの軽量キャスタブル(シロキャスト)よりも
軽くて嵩があり、厚めに施工できました。
いい感じに仕上りました。コンクリートの壁で囲んで隠してしまうのが
勿体無くなってきました。

2013年1月22日火曜日

ロケットストーブ付石窯作り36 / 開口部

石窯開口部は手前側、中央、奥の3箇所で
それぞれ幅と高さを少しずつ変えてあります。

手前 幅470mm×高さ240mm

中央 幅470mm×高さ260mm
 ※中央部分の上には煙突へと繋がる穴が空いています。

一番奥 幅440mm×高さ240mm

これに対して蓋のサイズは 幅460mm×高さ250mmで作りました。

これは次のような使い方をしたくて考えた構成と構造です。

石窯の加熱時は、蓋を写真のように手前のアーチに密着させる
ことにより石窯開口部をほぼ塞ぐことができます。
このようにセットすると煙突に繋がる穴が蓋より奥になるので
ロケットストーブからの燃焼ガスを煙突から排気することができます。
これにより
  • 石窯開口部から熱や煙が漏れにくいので燃費や作業性が向上する
  • 石窯開口部正面から強い風が吹いても燃焼が妨げられない
また蓋を一番手前のアーチより高く作ってあるので
密閉性もある程度確保できますし、蓋が手前に落下することも
ありません。

次に
写真のように蓋を押し込み一番奥のアーチに密着させると
今度は煙突に繋がる穴は石窯の外になります。
加えて、石窯内部にあるヒートライザー開口部の蓋も閉じることに
より石窯ドーム部分をほぼ密閉することができます。

これにより火を落としてからの温度低下を最小限に抑えられると
考えました。
火を落としてパンを焼いたり煮込み料理を作る場合に
このようにします。

更に。
この蓋を中央部分で前後させることにより煙突への
排気量を調整できるかなと思っています。
これとロケットストーブの燃料投入口の口径を絞り吸気量を
調整することで、火力も調整できるかもと考えています。
意図通りに機能するか試してみないと分かりませんが。

なお蓋はこのように少し寝かせれば取り出すことができます。

ということで観音開きなどの固定式の扉にしなかった理由は
開口部の構造と組み合わせることで蓋にダンパー的な機能も
兼ねさせようと考えたからなのでした。

煙突内ダンパー+観音開きの扉と比較して密閉性は
多少劣るかもしれませんが構造もシンプルでコストも
抑えられたように思います。
材料費は¥8,000以内でした。
耐熱ガラスが送料含めて¥3,500もしたのが痛かったです。

石窯内部の熱が伝わらないよう取っ手部分を留めるリベットは
鉄板の間に挟んだ断熱材を貫通させないようにしたのですが
それでも燃焼開始から3時間ほどで取っ手のフラットバーや
ビスが結構熱くなりました。
素手で持てないほどではありませんが。

どうも断熱材として使ったセルストーン(耐熱ボード)の
熱伝導率が意外と高かったようです。
この点だけは想定外でしたが、それ以外は使い勝手も特に
問題無さそうです。

さて、先週土曜には色々な料理をしてみました。
ピザはもちろんのこと、火を落としてからも焼きリンゴ、
パン、1晩かけてポトフも作りました。
どれも上出来でしたが写真を撮り忘れました・・・ ^^;

一方ロガーで天井部分の温度は計ってありました。
断熱材で覆ってから初めての計測になりましたが、
火を落としてから14時間を経過しても100℃以上を保っています。
パンを焼くのに適した温度帯も2時間程度は確保できそうです。
(前回測定では1時間程度)

逆に350℃を超すまでにかかった時間は前回よりも長く3時間以上
かかってしまいました。

途中石窯から離れていたせいもありますが、主な原因は今回使用した
薪のせいだと思います。(薪専門店から購入した広葉樹の薪です。)
乾燥済みとのことなのですが、太さが10cm角ほどとかなり太いため
一気に燃焼してくれません。
ロケットストーブの開口部は15cm角ほどなので、2本同時投入も
難しく、どうしても燃焼がゆっくりになってしまったようです。
乾燥薪なので硬くて大変かもしれませんが、次回の火入れでは
この薪を1/4程度に割って使ってみようと思います。

加えて、石窯内にもっと燃焼ガスが滞留するような工夫も
考えようと思います。

2013年1月6日日曜日

ロケットストーブ付石窯作り35 / ドームの断熱

1回目の火入れで火を落として数時間経ちドーム外側の表面が
50℃程度に下がってからブルーシートを被せたのですが
ドームから出た水蒸気がハンパ無く、10分ほどでシートと
石窯の表面がびしょ濡れになりました。
(それに気付いてすぐシートは外しましたが。)
そこで2回目の火入れの後も1晩シートを被せず放置しました。
徐々に石窯本体から水分を抜くため、このような工程が
必要と以前読んだ本に書いてあったことを忘れていました。

これでかなり乾燥も進んだようなので今日は断熱材を
施工することにしました。
その前に・・・
最初の火入れで入ったヒビを耐火パテで補修してみたのですが

2回目の火入れでまたヒビが開いてしまいました。
ヒビは高熱になると開き、冷えると閉じるようで
耐火パテではその変化に追随できないみたいです。

パテでの補修は諦めて少し本格的に補修することにしました。
まずはライトキャスターのままだと接着性が悪いので、
ヒビの入った箇所に耐熱スプレーを吹き付けます。

次に加熱と冷却によるヒビの幅の変化に追随できるよう断熱材を
少し挟んで耐熱性のあるアルミテープを貼りました。


これでヒビの入った箇所からの熱漏れが少なくなるといいのですが。

下処理を済ませたので本題の断熱施工です。
まず遮熱効果を期待してドーム全体にアルミホイルを巻きました。
これの効果のほどは分かりません。ただ私が一番参考にしている
海外の石窯がこのように施工されていました。
普通のアルミホイルなので費用も僅かですし作業も簡単なので
ダメ元で真似させてもらうことにしました。

この上に断熱材を被せました。
断熱材はホンマ製作所製のセラミックファイバー25mm厚と
イソウールブランケット6mm厚を使い分けています。

最初にイソウールブランケット6mm厚を割りと手頃な価格で
入手しましたが「この薄さでは少々心許ないな」と思ってました。

これより分厚い製品もあったのですが値段が高くて手が出なかったのです。
ちなみにその価格はと言うと、、
600mm×1200mm×25mm 1枚で1.7万円とか(なんぼなんでも高すぎ)
600mm×1200mm×50mm 5枚で3.8万円とか(そんなに要らんし)

ところがある日、煙突のことを調べていた所
煙突を壁に通すためのメガネ板に充填する断熱材として
ホンマ製作所の製品を見つけました。
使用限界温度は1100℃とのことなので全く問題なさそうです。
価格は600mm×900mm×25mm 1枚あたり1,900円ほど。

これならと購入してみたところ、厚さは違いますが感触的に
イソウールと同様の製品と見て間違いなさそうです。

ということで2回の火入れで天井部分の温度がより高くなることが
分かっていますので分厚い方を天井に使うことにしました。
そしてサイド部分は6mm厚のイソウールを2枚重ねにしました。

そう言えばこれらの製品、施工の際に気になることがありました。
なるべくマスクとゴーグルをして作業していたのですが
それでも作業が終わった頃になると咳がしばらく
止まりませんでした。寒さのせいかとも思いましたが
今日は気温もさほど低くありませんでしたし、
肌が露出していた所がチクチクしますので、おそらくは
これらの製品の繊維が原因じゃないかと思います。

石綿は使っていないとのことですが、グラスファイバーなどと
同様に施工時はしっかり防護した方が良さそうです。

さて話を戻して、断熱材の上にはメタルラスを被せました。
後日この上に余っているライトキャスターないしモルタルを
コテ塗りしようと思います。

そうそう、先日埋め込んでおいたスチールラックの
アングルなんですが、こんな使い方をしました。
本来の用途とは違いますが羽子板ボルトをリベットで
フラットバー(平鋼/帯鉄)の両端に固定したパーツを作り
これを石窯に巻きつけてからアングルの穴に通して
ナットをガッチリ締め込みました。

ドーム形状は上からの力には強いのですが
ほとんど接着力の無い耐火モルタルを介して
床に乗ってるだけなので例えば地震のような
横方向の力がかかるとズレたり、最悪床のレンガから
落ちて崩れたりすることが無いとは言えません。

これを防ぐにはドームの最下端をしっかり固定する
必要があります。
そう考えて調べている中で見つけた海外の石窯の記事が
大変参考になりました。(コレです↓)
それにしても流石はプロの仕事、構造的にも
素晴らしいですが、加工精度や最終的に隠れてしまう所でも
はみ出したモルタルは綺麗に拭き取ってあり
見る度美しいと感心してしまいます。それに比べて・・・

さて、今日はここ最近に無いほど天気も穏やかでした。
日も長くなりましたので随分作業も進みました。

来週は実家から母が遊びに来るので天気が良ければ石窯料理を
振る舞えたらと思っています。

2013年1月3日木曜日

ロケットストーブ付石窯作り34 / Pizza焼きテスト

今日はお昼のPizza Lunchを目指して朝から火入れ開始です。

12時には適温に達しました。
ロケットストーブの開口部の真上(ドーム天井)の温度は500℃超。

ロケットストーブ開口部から一番遠い床の下に埋め込んだ熱電対で
計った温度は250℃。床表面の温度はこれより更に20℃程高くなります。

が、何かと用事が入って家族が揃いません。
仕方ないのでこのまま1時間ほど燃焼を続けました。
その間、温度は上記以上には上がりませんでした。
つまり、この石窯の現時点の性能の限界が上記の温度と
いうことになります。

13時を回ってようやく全員揃いました。
さあ、いよいよPizza焼きスタートです。
肝心のモッツァレラを買い忘れたのでカマンベールで代用して
マルゲリータもどきを作ります。

生地がピザピールにくっつかないようクッキングシートを
間に挟んで石窯に投入します。
慣れたら打ち粉をして直接乗せようと思ってます。

焼いてます。あと2枚くらいは同時に焼けるスペースがありますが
今日は初めてなので1枚ずつ慎重に。

写真で確認すると少し焼きが甘かったかも。

石窯投入から2分は経ってないと思います。

お皿に乗せて、完成です!

食べてみた感想は、というと
オーブンレンジで焼くいつものピザもそれなりに
美味しいのですが、全く次元が違います。
生地のレシピはいつもと同じなのに。

これまで色々なピッツェリアを食べ歩いてきて自分なりの
ランキングがありますが、その中に割り込めるほど!

焼き加減や生地など、まだ改善の余地は沢山ありますが、
初めてにしてはかなりの出来栄え。長い作業を思い出しつつ、
まずまず思い通りのPizzaが焼けたことにホッとしました。

他に焼いたPizzaです。形がイビツだったり、焼き加減もバラバラ。
釜の中で動かそうとして失敗し折れてしまったりもしましたが、
味はどれも美味かった!

今日は他に何も用意しなかったので、料理はこれでオシマイです。

今後はPizzaの後にパンを焼いたり煮込み料理を作ったりする
つもりです。
そのため時間の推移で石窯の温度がどのように変化するかを
知りたくて今日の朝からの温度変化をデータロガーで計ってありました。
これは石窯ドームの天井(ロケットストーブ開口部の対角あたり)に
仕込んだ熱電対での計測結果です。

グラフを見ると色々分かることがあります。

まず炎が直接当たらない場所ということでロケットストーブ開口部の
真上に対して100℃程度は低い温度になるようです。

石窯から離れて薪をくべなかった11時過ぎと12時過ぎ、
ピザを焼くために何度か蓋を開けた13時台に温度が
下がっています。

今日は昼でも2℃ぐらいまでしか外気温も上がらず、
かなりの強さの冷たい風が石窯開口部正面から吹き付けて
いましたが、ピザを焼いた後でも蓋を閉じて
少し薪をくべれば温度もすぐ回復しているようです。

外気温が高い時の温度変化も今後は確認してみたいと
思います。

そして、ロケットストーブ開口部に蓋をして加熱を
ストップした14時頃からなだらかに温度は下がっています。
それでも4時間半を経過した18時半頃で130℃弱と
煮込み料理などには十分な温度を保っています。
この時点で石窯外側の温度は60℃位ありますので
断熱、保温を徹底すれば更に長時間に渡って調理可能と
考えられます。ちなみに何度も計った訳ではありませんが
石窯外側は70℃ほどが一番高い時の温度でした。

さて石窯内部に話を戻して、パンを焼くのに適温と
考えられる190℃〜230℃をキープしていた時間は
15時頃〜16時頃までの1時間程度のようです。
実際に焼く時には蓋を開けたり閉めたりするので
温度も下がるでしょうが、それでも2〜3回は焼成できるでしょう。

追い焚きすれば上記の温度をキープすることも
容易とは思いますが、お店をする訳ではないので
これだけ料理できれば十分な気がします。

なお今日使用した薪の量は下記の通り。
ホームセンターで購入した広葉樹の薪2束(およそ13kg)
針葉樹の建設材料の端材(たぶん5kgほど)

今日は最初からガンガン薪をくべましたが
温度の上がり方を見ると最初は抑えめにした方が
効率(燃費)がいいかもしれません。

この辺りも今後の課題かな。

さてまだ工事は続きますし、ロケットストーブを
使わず石窯本体で燃やした場合と薪の使用量に
どの程度の差が出るのかなど試したいことも沢山あります。
燃料の薪もホームセンターのは値段が高い上に乾燥度や
出自もよく分かりません(しかも1束あたりの重ささえ
表示されてないのです)
なので、しっかり乾燥した広葉樹の薪をどこかから
確保しなければなりません。やることは山盛りです。

友人、知人に親類一同からの催促もありますし
寒い日が続きますが頑張って作業して
暖かくなる頃には大勢招いて石窯の
お披露目ができるといいなと思います。

遅ればせながら、今年も「気分次第で」はありますが
ブログの更新も頑張っていきますので、時々覗いて
やってくださいね。

2013年1月2日水曜日

ロケットストーブ付石窯作り33 / 燃焼テスト

石窯開口部の蓋もできて、ほぼ石窯として必要な装備は
完成したので火を入れてみることにしました。

いつものように新聞紙1/2枚と木っ端を詰めて点火します。

30分程で勢い良く燃え始めました。

蓋の窓から見える火柱



燃え始めだけは煙が出ますが数分でこのように煙突からの排気も
ほぼ透明になりました。


そして点火から2時間ほどかけてロケットストーブの開口部の真上の
天井部分は500℃を超えました。

更にこの時の床(の目地部分)の温度は220℃

赤外線式の非接触温度計で計った床の温度は250℃を少し
超える程度でした。

まだ断熱は不十分ですがロケットストーブだけを使った燃焼で、
Pizzaを焼くために目標としていた温度は何とかクリアできそうです。

ところで、温度を上げたことにより石窯にはあちこちヒビが
入りました。

こうなると予想はしていましたし大きな問題ではありませんが、
断熱材の施工の前に修復しようと思います。

次はいよいよテストでピザを焼いてみようと思います。
オーブンレンジで焼けるようなピザではなくて、
目指すは本格ナポリPizzaなのです!
温度管理も生地も手際も全て揃えなければいけませんので
ハードルはかなり高いと思います。さてどうなることやら。