2013年4月2日火曜日

ロケットストーブ付石窯作り42 / 石窯のチューニング

先日からボチボチと作っていた石窯用のパーツとか
道具の紹介をば。

まずは石窯開口部の中ぶた

続いて、これはバーントンネルを上下に分ける仕切り板
このようにバーントンネルの下に置いて空気の取り入れ口にします。
穴の空いてる方がトンネルの奥になるように設置。

更にこれは断熱材の残材です。
これを蓋代わりにして焚口を絞るのに使いました。
こんな感じで焚口に立てかけて隙間を狭くしたり、広くしたりして
燃焼状態がどうなるか試したのです。
ハッキリと効果があったので、いずれ調整窓付のちゃんとした蓋を
作ろうと思っています。

この3つのパーツの狙いをまとめてみました。

燃焼には可燃物+酸素+高温の3要素が必要ということは
(一応理系なので)理解してるつもりでしたが、これまで
あまり意識したことがありませんでした。
ところが石窯に組み込んだロケットストーブで
何度か火入れを行ううち、
「ロケットストーブって何も考えずとりあえず
乾いた薪を突っ込めば激しく燃えるし温度も上がるけど
この3要素の調整/バランス次第でもっと少ない燃料でも
同じように石窯の温度上げられるんじゃ?」という気が
してきたんです。

適当に作って適当に使ってスゴイ性能が出るなら
その方がいいのですが、どうもロケットストーブの性能は
チューニングと使いこなしで、まだまだ上がるんじゃないかと
思ったわけです。

そのキッカケになったのは、ある寒くて風が強い日の
ことでした。
正面からの冷たい風を少し遮った方がいいかなと
焚口を板で塞いだところ、急にゴーゴーという
激しい燃焼音とともに石窯の中に大きな火柱が上がったのです。
そしてその時石窯内の温度は一気に上昇しました。

大量の燃料と空気(酸素)を供給することで燃焼が
激しくなるとすれば、焚口を絞ることで逆に火の勢いは
落ちるはずです。
そうはならず激しく燃焼したのは何故なんだろうと
考えたのです。

で大量の燃料と空気を供給することで3要素のうち
2要素を満たすことになる一方で、一気に流れ込んだ
大量の冷たい空気は燃焼している箇所を通過する際の
流速も早いため大して温度が上がらないまま
通過してしまうんじゃないか、
そして低い温度の空気(酸素)を可燃ガスにぶつけても
一部の成分(リグニンなど)はあまり燃焼できないんじゃないか、
と思ったのです。

加えて勢い良く入ってきた空気はヒートライザーで
強い上昇気流となり、熱膨張と併せて更に勢い良く
燃焼ガスとして煙突から出ていってしまうのだろうと
思います。

つまり現状では薪の持つエネルギーを十分取り出せて
いないだけでなく十分に利用もできていないのだろうと
思いました。

ということでできる限り高温の燃焼ガスを発生させること
(=完全燃焼に近づける)、そしてこのガスをなるべく長い時間
石窯内に滞留させようと考え、この3つのパーツに辿り着きました。

3つのパーツのそれぞれの役割と狙いはこうです。
  • 石窯開口部の中ぶた
    • 火入れ後石窯が適温になるまでの間、開口部の口径を絞る(かつ開口部を低くする)ことで高熱の燃焼ガスをできるだけ石窯全体に行き渡らせ、特に床面への蓄熱を促すことができるのでは、と考えました。
    • ちなみに中ぶたの開口部面積はロケットストーブのヒートライザーの断面積と同じにしました。(約160平方センチ)
  • バーントンネルを上下に分ける仕切り板
    • バーントンネル内に設置して、このパーツ上で薪を燃やします。
    • これによって、仕切りの下を通る空気を熱し、その熱した空気をヒートライザーで燃焼ガスにぶつけることでより激しい燃焼を促せるのではと考えました。
  • 焚口の断面積を絞るための調整窓付の蓋(今回は耐熱板の残材を使用)
    • 燃焼に必要最小限の酸素(空気)を取り入れるようにしてゆっくりと燃焼部の下を通し、十分高い温度になってからヒートライザーで可燃ガスにぶつけることでより激しい燃焼を促せるのではと考えました。
    • 焚口が狭い方がいいなら最初からそのように作ればいいのでは?と思ったりしましたが、火入れ直後は大きく開けていた方が早く火が大きくなります。それに同じ開口部の断面積でも薪の量によっては激しく燃えたり燻ったりしますので面積は調整出来る必要があるようです。
考えた仮説が正しく、その上これらのパーツが理屈通り機能すれば
より少ない燃料で石窯を温めるたり温度をキープすることが
できるはずです。
それから石窯が適温に達するまでの時間も短縮できるだろうと
思います。

さて最後にこれは燃焼と関係ありませんがPizza投入用のパーラ(パラ)
購入すると1万円近くするものなのですが、馬鹿らしいので
自作しちゃいました。

ステンレス製のピールでは粉を振っても生地がくっついて
しまうのでやむなくこれまでクッキングシートを使って
いましたが、木製のパーラにすることで直接焼床に
生地を投入できるようになりました。

材料はホームセンターで購入した杉板と杉の棒です。
費用はそれぞれ数百円なので合計1000円ちょっと。
以下、工程です。

まずは杉板を適当な形に切り抜きます。

続いてビスケットジョイナーという工具を使ってこのような
溝を掘りました。

この溝に木工用ボンドを流し込みビスケット(下)をはめて
杉板と棒を接合してハタガネで固定し乾燥させます。

更にグラインダーでパーラの先端ほど薄くなるよう荒く削り、
オービタルサンダーに#180のペーパーを付けて研磨
更に#400のペーパーで仕上げの研磨して
最後に持ち手部分だけオイル仕上げとしました。

ついでにパン投入用のパーラも作りました。

長くなったのでこれらの用品の使用結果はまた改めて。

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