2012年12月31日月曜日

ロケットストーブ付石窯作り32 / 蓋

12月はさすがにイベント続きでブログの更新が
できないだけでなく、石窯作りもあまり進みませんでした。
年末の休みを利用して唯一進んだのが石窯の蓋作りです。

蓋の主な材料は下記の通り
(ホームセンターで購入)
300mm×600mmの軟鋼板(2.3mm厚と1.6mm厚の2種)
25mm×2000mm×3mmのフラットバー(平鋼/帯鉄)

(通販で購入)
耐火ボード(セルストーン10mm厚)
耐熱ガラス(ネオセラム)

(その他)
取っ手用の木っ端(自宅のフローリング材/カリンの余り)
材料同士の接合用のブラインドリベットとブラインドナット
耐熱スプレー、耐火パテ、ビスなど

耐火ボードを軟鋼板でサンドイッチする構造とします。

以下製作の工程です。

まずは2.3mm厚の軟鋼板をジグソーでカットします。
こちらは窯の内側に使用します。
直接炎に熱せられるので腐食等に長く耐えられるよう
厚い鋼板を使います。
木材と比べると時間を要しますが、ジグソーで
こんな厚い鉄板が切れるなんて、知った時は驚きました。

そうそう写真では、ジグソーにプラスティックのカバーを
付けてカットしてますが、後で見たらカバーに鉄の切り屑が
食い込んでしまってました。簡単には取れそうにありません(泣)
鉄を切る時はカバーは外しましょう。
(カバーは傷が付きやすい柔らかい素材、例えばアクリル板とかを
切る際に使うべきで、鉄板を切る時に使うなんてもっての外だった
みたいです)

続いてリベット用の穴を開けます。
鉄板と耐火ボードの固定には基本的にリベットを使いますが
覗き窓の蓋の所だけガラスの交換などができるよう
ブラインドナットを使います。

続いてフラットバーにこちらも結合用の穴を開けてから
曲げました。計画通りの場所と角度に曲げるのに苦労しました。
万力とハンマーで何とか形を整えました。
これが取っ手になります。

薄い方の鋼板もカットします。これに上で作った取っ手を
リベットで取り付けました。

耐熱ボードもジグソーでカットし、必要な箇所に穴を開けます。

耐熱ガラスはかなり高額なのですが、実験器具の交換部品として
比較的安く販売されている製品を見つけました。
サイズは幅150mm×高さ150mm×厚さ4mmで価格は送料コミで
3,500円ほど。
このガラス代だけで材料費の半分近くを占めることは
悩ましいのですが、蓋を開けずに石窯の中を覗けるという
魅力は捨て切れませんでした。(しかし、実際に
使ってみると、すぐ煤けてしまうことと床で直接薪を
燃やさないので窯の中が暗く、あまり役に立ちませんでした)

できれば大きさ的に半分程度のガラスが良かったのですが
サイズ指定可能な店でそのようなオーダーをすると
上記の倍以上の価格になりますので手が出ません。

そこで難しいことは承知の上で、上記の製品を購入し
自分でカットしてみることにしました、、
(カットにはガラスカッターを使います)

結果は例によって玉砕・・・_| ̄|○
真っ直ぐカットできず斜めに割れてしまいました。

それでも何とかごまかせば使えそうです。
少しでも断熱効果があるかなと割った2枚の間に
耐火パテを挟んで合わせガラス状にしました。

耐火パテの塗り方が適当すぎたかも・・・
見た目は悪いですが隠れる場所なので、まぁ良しとしましょう。
(この合わせガラスの構造も結果は失敗でした。
熱せられるとガラスとガラスの間が水蒸気で曇ってしまうのです。
なので、後日剥がして今は一枚で使用しています)

さて、続いて取っ手用の木っ端の加工や耐熱塗料の塗布など他にも
工程はあったのですが、途中写真を撮り忘れたので、いきなり
完成写真です。
我ながらカッコ良くできたような!

窓を小さくしたので、ガラスのカットやパテ塗布の失敗も
上手く隠せました。
この蓋、重量は4.2kgありました。
空いた片手で窯の中の料理を動かしたり、掃除ができるようにと
持ち手は一つにしたのですが、この重さなら取り回しも問題無さそうです。
(非力な女性だとちょっと厳しいかも)

石窯開口部にセットしてみました。
石窯本体の断熱などが残ってますが、とりあえず蓋が完成したので
ほぼ普通に使える状態になったと思います。
ということで、次は久しぶりに燃焼テストをしてみようと思います。

2012年12月1日土曜日

ロケットストーブ付石窯作り31 / 断熱壁

今日の作業のゴールはこのパーツ(スチールラック用のアングル材)を
ドームの横にコンクリートで固定することです。

その目的というか用途は後日改めて書くとして、
今日の作業はこんな流れでした。
まず以前の写真ですが、石窯本体の下に敷いてある
盆栽板には穴が空いています。

↓アップです。

穴あきのままじゃカッコ悪いのでモルタルで埋めて最終的には
漆喰を塗るつもりです。
この状態だと穴の中にモルタルが中途半端に入ってしまい作業がしずらいので
このようなバックアップ材というものを先に穴に詰めておきます。
この上からモルタルを塗りつけました。

更にアンカーボルトを打ち込みブロックを積みました。
最終的にブロックはドームが隠れる高さまでぐるっと外周を
囲むつもりなのですが、今日の目的はあくまで最初に紹介した金具を
設置することなのでブロック積みはこれで一旦終わり。

そしてやっと本題の金具をブロックで囲んだスペースの中に
コンクリートで埋めて固定しました。
同じ金具をドームの反対側(向かって左)にも同じように
設置しました。
ということで、今日はここまで!

しっかし今日は超寒かった。
霰らしきものが降りました。本格的な冬到来かな。

2012年11月25日日曜日

ロケットストーブ付石窯作り30 / 断熱

作業開始前の状態です。今日はここからスタート!
散らかってますね、、掃除もしなきゃ。

これは西浦商事さんから購入した軽量キャスタブルです。
以前も書きましたが、長期在庫品ということで
格安で購入しました。
ただし保管中に一部空気中の水分を吸って固まって
しまっていることがあると事前に聞いていました。

それを承知の上で購入したので全然問題無いのですが
実際にこんな塊が入ってました。
大きな塊は2〜3kgぐらいでしょうか。
2袋分でこの量なので全体の1割くらいな感じ。

塊は手で割れるほど柔らかくも無いですが、ガチガチに
固まってるというほどでもありません。
根気よくハンマーで砕けば使えそうな気もしますが
作業を急ぎたいので、これは破棄することにしました。

さてこの軽量キャスタブル、キャスタブルタイプの断熱材です。
三石耐火レンガさんのブログではメーカーが違いますが
石窯の外側を覆うのに使われてました。

そして石窯の周りをこのキャスタブルで固めれば、本体の目地に
使った耐火モルタルが固まらなくても、雨などで流れてしまうことが
ありませんので一石二鳥かもしれません。

ということで私も同じように施工してみました。
レンガに直接コテ塗りしてみると、骨材が細かいので
作業性はいいのですが、アサヒキャスターと
同じく接着力はほとんど無さそうです。

レンガに直接コテ塗りするよりもメタルラスや金網で石窯を
覆ってから施工した方が良かったように思いました。

若干迷いましたが今日は午後から作業を始めたので
中断してメタルラスを買いに行ったりしてると
日が暮れるまでに作業が終わらなさそうということで
このまま続けることにしました。

自宅の漆喰壁をセルフビルドした経験もありますので、
コテ塗り自体は慣れた作業です。2時間程度で完了しました。
コテ塗りよりキャスタブルおよそ2袋を練る作業の方が
余程しんどいです・・・特に腰が。
これもまた最終的には隠れてしまう所なので丁寧さより
スピード重視で仕上げました。
キャスタブルの厚さは2〜3cm程度かと思います。
2袋で少し余りました。

写真に写っている線は熱電対のコードです。
デジタル温度計と接続して石窯内部の温度を測るため
3箇所に仕込みました。

非接触式の温度計も持ってますが、それだと温度を
計るために蓋を開けなければなりませんし、計測の
上限温度が280℃なのでやや役不足なんです。

スローライフの象徴のような石窯にこのような電子機器を
持ち込むのはどうかと思わなくもないですが、
まぁ使いこなしてナンボということでよしと
しましょう。
それに計測結果はブログネタにもなりますし。

これで1週間ほど養生させます。

2012年11月24日土曜日

ロケットストーブ付石窯作り29 / 乾燥

ドームの型枠も無事外せたので、開口部にもう一つアーチを積みました。
開口部のアーチは手前、真ん中、奥と3列になっています。
そしてそれぞれの幅と高さを少しずつ変えてあります。
このような構造にしているのは後日製作予定の蓋の使い方を
考慮してのことなのですが、詳しくは蓋を作る際に書こうと思います。

ともかくこれでロケットストーブと石窯本体の骨格的な部分は
完成しました。
ちなみに写真右下の四角い開口部がロケットストーブの
焚口になります。

一息つきたいところですが、
実はまだ多くの作業工程が残っています。
残る主な作業は以下の通り。

  1. ドームの蓄熱、保温性を高めるため軽量キャスタブル(ライトキャスター)やファイヤーブランケットでドームを覆う。
  2. ドームやアーチを土台にしっかり固定する。
  3. ドームの周囲をブロックで覆い、断熱材を充填する。
  4. 3.のブロック壁を漆喰で塗装
  5. ドーム開口部用の蓋を作る
  6. 屋根を作る
それ以外にも薪棚も作らなきゃいけませんし、石窯作りの
ため、中断してる庭のアプローチに乱形石を敷く作業も
あります。
外構工事の完成まで、まだまだ先は長そうです。

今日は上の1.の工程に取り掛かる前に少しでもレンガや目地を
乾燥させようと思い、軽くロケットストーブに火を入れてみました。
最近の雨で薪もレンガもやや湿ってるようですが、さすがは
ロケットストーブ、焚き付けに新聞紙1/2枚だけであっという間に
火が熾きます。
ロケットストーブが温まっていない間は煙も出ます。

煙ってるのが分かるでしょうか。

煙の半分くらいは煙突から出ていくようなので
キャスタブルの流し込みで作った煙突との接合部も
まずまず機能しているようです。

残りは開口部から出てきますが、いずれ蓋を作りますし
煙突も予定ではこの倍の高さにするつもりなので、
更に改善できるだろうと思っています。

これくらいの燃焼になると排気もほぼ透明になってきます。

石窯の天井がロケットストーブの火で赤く照らされてます。

30分ほどかかって天井部分が200℃以上になりました。
200℃を超えたあたりから薪の燃える音やロケットストーブ特有の
ゴーッという音とは別に陶器の割れる「パリン」というような音が
何回か聞こえました。

レンガが割れている音かもしれません・・・

あまり急激に温度を上げると良くないので、今日は
これくらいで止めることにしました。

TOOLS 8 / ディスクグラインダー&集じん機

前にレンガをカットする際の粉塵対策として購入した
集じん機ですが、以前のレビューで集塵率が低くて
効果が思ったほどでないと書きました。
それも致し方ないのかもなと思いました。
と言うのも本来この集じんカバーって、材料にベタッと密着させて
カットすることを想定した形状になっています。

これに対して私の場合はレンガを台形にカットしたいので、
グラインダーを傾けざるを得ません。
そうするとこの集じんカバーとレンガの間に大きく
隙間が空いてしまうので、そこから多くの粉塵が漏れる
ようなのです。

ただそれでも前回の記事を書いた後で集じん機とホースの接続部分に
隙間があるのを見つけ、これを調整した所かなり吸い込む力も
上がったような気がします。

そこで改めてレンガをカットしてみました。
ちょっと分かりづらいかもしれませんがカット前の作業台です。
ブラシで表面を掃いたのですが雨で湿っているためレンガの粉が
少し残っています。
集じん機を繋いだ状態で、レンガ1個の周囲4辺(約30cmほど)を
カットした後の写真です。
前よりはかなり粉は減ったように思います。
屋外で作業しているのでこれくらいの量であれば
許容範囲と思います。
ま、無駄な買い物にならずホッとしました。


あと追加でダイヤモンドカッターを購入しました。
三京ダイヤモンド工業のS1カッターという製品です。
安い所を探しましたがそれでも6千円ほどはしました。

さすがにサクサク切れますので気持ちいいです。
先日買った安物カッターとはカットスピードがまったく違います。
もちろんセグメントタイプとウェーブタイプの違いも大きいのですが。

カットしてて気付いたのですが、耐火レンガって耐火度によって
硬さも違うんですね。SK32はサクサク切れるのに対して
SK34の耐火レンガは感覚的には半分くらいのスピードでしか
切れない感じです。

先日の安物カッターで「切れなくなってきたな」と思ったのは
摩耗のせいじゃなくて、SK32のレンガをカットした後で
SK34のレンガをカットしたせいだと分かりました。

まそれはさておき、S1カッターオススメです。

2012年11月23日金曜日

ロケットストーブ付石窯作り28 / Key stone

ドーム完成の巻
今日はここからスタート

11段目です。
ちょっとカットが雑ですが雨がパラつき始めたので
細かい調整は止めて先を急ぐことにしました。

11段目完了です。
いよいよ天頂部が閉じるまであと僅か。

もう丸い形ではなくなってます。
台形というより欠片に近いレンガで隙間を埋めます。

いよいよ最後の工程です。

空いている隙間の形に合わせて最後のピース(7角錐?)を作りました。
英語ではこれKey stoneて言うんですよね。日本語では要石。
これが抜けなければドーム(アーチ)は崩れないという大事なパーツです。

Key stoneをしっかり嵌めて遂にドーム完成!
はぁ〜〜〜ここまでの道のり長かった・・・

少し眺めていたかったのですが、完成した途端、
本格的に雨が降り始めました。

ドームの表面や目地を整えたりと続けてやりたいことが
あったのですが仕方なく外側にはブルーシートをかけました。

ドーム外側の作業は中断しましたが、ドームが完成したことで
遂に内側の型枠は外せる状態になりました。

型枠は下の写真のようになっています。
10本の足(骨組み)の合板はプラ束にただ乗せているだけで
接着、固定していません。
なのでプラ束を縮めて外すと支えが無くなり簡単に
外れるようになっています。

但しこの骨組みにはベニア板を下の写真のようにタッカーで
留めてあります。

これが邪魔して骨組みが崩れないようだと少し手強いかもと
思ってました。

ともかく試してみるしかありません。

まずはプラ束を縮めて外し取り出しました。が、それだけでは
骨組みは崩れてくれません。

そこで開口部に近い方の骨組みの合板を引っ張りました。
(強引に引っ張ってドームのレンガが崩れたりしたら
目も当てられませんから慎重に。)

すると引っ張った合板だけでなく骨組み全体が崩れながら
タッカーで固定してたベニア板ごとズルズルと全て一緒に
出てきました。これぞまさしく芋づる式!
超気持ちE!いや〜思った以上に上手くいきました!

予め骨組みの合板にはそれぞれ3箇所に穴が開けてありました。
もしも手で引っ張っても取れない場合はこの穴に
鉄筋を引っ掛けて引っ張るつもりでした。

更にそれでもダメな場合は燃やしてしまうつもりでしたが
その必要もありませんでした。

砂やスタイロフォームを型にする方法や木材で型枠を
作って後で燃やしてしまう方法もありますが
プラ束使う方法、結構オススメですよ!

ということでドーム内側があっという間に空洞になりました。
ドームを作る際に溜まったホコリや落ちたモルタルを
掻き出して床面を綺麗にしました。

ともかく「ドームが崩れなくてホッとした」というのが
正直な感想です。

石窯完成までまだまだ先は長いですが、工程の中でも
ドーム完成は石窯製作の中の大きなマイルストーンなので
感慨もひとしおです!

今日のお酒は間違いなく美味しいだろうと思います(^O^)

2012年11月20日火曜日

Building a wood fired brick oven (with a rocket stove) 27 / Dome

日曜の作業の続きをば
今日のドームのレンガ積みはここからスタート。

先週6段まで積んだので今週は7段目から。
先週のうちにカットしてあったレンガを仮置きして隙間の空き方など
具合を確認します。
ところどころに入っているちょっと汚いレンガは
アンティークレンガの半端物です。
レンガの角度は少し鋭角目にカットしてあり、適当な間隔で
真っ直ぐカットされているアンティークレンガを挟むことで
隙間が最小限になるよう調整してます。
はみ出したモルタルが汚いですが上から色々被せて最終的には
見えなくなってしまう所なので、確実にシールすることと
作業スピード優先ということで見た目は気にしないっと、、
7段目完了。スタイロフォームで作ったドーム開口部や煙突接合部の
型も外しました。キャスタブルも綺麗に流し込めてたようです。

続いて8段目。
8段目はちょっと細工したいことがあり、あえてこんな感じで
隙間を空けてます。
何を仕込むかはまた後日のお楽しみ・・・
レンガの加工に慣れたことと、上の段ほど使用するレンガが
少なくなるのでスピードも上がってきたかも。
だいたいこういう作業って慣れた頃に終わっちゃうんだよな〜

さぁ〜どんどん行きまっせ〜
9段目も完了!

9段目からレンガのカットも方法を少し変えました。
これまでは、並型レンガ1個から2個の台形のパーツを切り出してました。
こんな感じ。
ただこうカットすると当然ですが両端が余ります。
今までで、このバケツ2杯くらいの端材が出ました。
これはこれでレンガを積む際のクサビに使えるのですが
そんなに沢山あっても使いきれません。
新品の耐火レンガは結構高価なので、少量とは言え無駄が出るのは
辛いところです。

ということで編み出した新たなカットがコチラ。
雨で作業中断している時にふと思いついたのです。
ドームの上の方のパーツなので角度は鋭角になってますが
それ以外は今までのと同じじゃねって?
イヤイヤ、これをカットして並び替えると↓こうなります。
そう、1個の並型レンガから台形のパーツが3個作れる(゚д゚)!

これだとグラインダーのディスクの厚み分のロス以外の
無駄が無くなります。
カットの難易度も今までと変わりませんし。

惜しむらくは、もっと早く発見したかった・・・

横からだと丸くなってきたなぁと実感できます。

更に10段目にも突入。
10段目も完了しました。残りもあと少し。
残る部分(穴の空いてる所)の直径は30cmほどになりました。


しかしここで無念の日没ゲームセット、、

急げばあと1時間ほどで埋められそうな気もしますが
暗くなるとぐっと冷え込むようになりました。
作業時の危険も増えますので無理せず来週に
持ち越すことにしました。

次の3連休の天気が良ければ(乾燥のための軽い)火入れまで
行けるかな。